一大メディアミックスプロジェクトができるまで

2013年-2014年

テレビアニメで火がつき、予想外の大ブレイク。

『コロコロコミック』連載のマンガも、2013年7月に発売されたゲーム『妖怪ウォッチ』も、最初は中規模なヒットでした。ただ、もともとこのプロジェクトの狙いとしては、テレビアニメの放送開始とおもちゃの販売を追い風にして、2014年7月のゲーム第2弾発売、12月の映画公開までに大ヒット作となるよう、焦らず着実に盛り上げていこう、というのがありました。その目的に向かって、一つ一つしっかり土台作りをしていたわけです。しかし年が明けて、状況は一変しました。1月に始まったテレビアニメ『妖怪ウォッチ』が一気に大ブレイクし、そこからゲームやマンガが急に売れ始めました。一般的にゲームは発売直後が一番売れますが、『妖怪ウォッチ』は発売30週後に初めて売り上げ1位に。まさにアニメの影響ですよね。

人気に火をつけたアニメも、制作スタンスはゲームや『コロコロコミック』のマンガと同じです。普通の小学生と妖怪とが友だちになれる、日常っぽいけど少し不思議な世界。その身近さが『妖怪ウォッチ』にはとても重要な要素だと思っています。もしかしたら自分にも起きるかもしれない、そう考えると現実がもっと楽しくなりますよね。日常と違った面白さを追求する映画版を除いて、ゲームもアニメもマンガも、主人公が宇宙で闘うなんて非日常は決して起こらないと思います。チーム全体がパロディネタが好きなので、ギャグ的に変なことはよくやりますが(笑い)。ちなみに現在『コロコロコミック』では、『妖怪ウォッチ』に私を含め2人の担当編集がついています。そのうち1人は、アニメのシナリオ打ち合わせにも参加していますね。

ただ、アニメだけでは人気が持続しなかったと思います。やはりマンガとアニメ、おもちゃ、ゲームと、複数のメディアを連動させて楽しめる『妖怪ウォッチ』だからこその魅力が大きいんです。例えばマンガやアニメで使う腕時計やメダルなどのアイテムは、放送と同時におもちゃが発売され、『妖怪ウォッチ』を現実の世界でも遊べます。さらには現実で集めたメダルをゲームで使うと新しい妖怪が登場するイベントを起こせるなど、お互いに影響し合って楽しみが増える仕組みになっているわけです。そのおもちゃを作るバンダイと編集部もまた、密接に関わっています。商品のアイデア段階から参加し、ほかとは違うオリジナルな面白さはあるか、それは作り手側の独りよがりになっていないかなど、「誌面で子どもたちに分かりやすく紹介する」という編集者の目線で商品開発に参加しています。

110万部を突破した『妖怪ウオッチ2元祖/本家 オフィシャル攻略ガイド』のほか、コミックスなども大きく売り上げを伸ばしている。

西手は『コロコロコミック』でのマンガ連載のほか、『妖怪ウォッチ』のゲーム、カードやメダルなどを紹介する記事も担当。