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対談 専務と新入社員 小学館の今昔対談

かつて『プチセブン』や『CanCam』を大成功へと導いた〝名物編集長〟山岸専務。2015年4月に入社したばかりの〝新人編集〟吉田と長岡。世代を超えて出会った〝小学館人〟としての3人が編集者としての思いやその働き方、オフの過ごし方など、さまざまな話題に花を咲かせます。山岸専務の経験値に圧倒されつつも、新人2人はさらなる大輪を咲かせるべく奮起!

よろしくお願いします! 楽しみに待ってたよ!よろしくお願いします! 楽しみに待ってたよ!
専務専務
山岸 博 専務取締役 1974年入社山岸 博 専務取締役 1974年入社

教育関連の本づくりを目指して入社するも、最初の配属先は当時の第二編集部「週刊少女コミック」。思いと現実のギャップに悩みつつ、実は妹2人が読んでいたこともあり少女まんがへの違和感は徐々に薄れる。女性の感覚をつかむのがもともと得意だったことに加え、読者ハガキを熟読したり、自身の過去の経験を掘り起こしたりという、さまざまな手法、独自のマーケティング力を持って女性誌編集者として大きくステップアップ。『プチセブン』や『CanCam』の編集長を歴任し、名物編集長として時の人に。2009年に常務取締役、2014年より現職となる。

新入社員新入社員
吉田 有里 第二コミック局「少年サンデー」2015年入社吉田 有里 第二コミック局「少年サンデー」2015年入社
長岡 眞也 第二コミック局「コロコロコミック」2015年入社長岡 眞也 第二コミック局「コロコロコミック」2015年入社

新入社員の今昔

「もどかしい」「悔しい」思いが
能力と精神の成長に繋がるんだと思う

山岸
入社して約半年、2人とも仕事には慣れたかな?

長岡
毎日、早く一人前になりたいと思ってがんばっています。でも、まだ出す企画出す企画にダメ出しされていて(苦笑)。「自分なりにいろいろ考えているのに、何がダメなんだろう」って思う時もあるんですけど、先輩の指摘通りに直していくと自分の考えていたものより必ずいいものができるんです。実力のなさを痛感する毎日ですが、山岸専務にもそんな時代ってありましたか?

山岸
一人前の編集者になるためには、その繰り返しだよ。僕も、最初の5年くらいはしんどかったなぁ。パソコンはおろか、コピー機もファックスもない環境で、とにかく編集長は怖かったし、それにやることは全然うまくいかないし。

長岡
えっ! 本当ですか!?

山岸
年末になると1年の総括が頭の中にウロウロしはじめるんだよ。この1年自分は少しは成長したんだろうか? まったくダメだったな。仕事でもいい成果が出せなかったな、と。年末の休みに「辞めよう」と思い、正月明けに「もうひとがんばりするか」と思い直す、その繰り返しだったなぁ、入社して5年くらい。転機になったのはね、「この人を育てたい!」と思う新人作家に出会ったことなんだ。

吉田
「すごいな」と思う作家は大勢いますけど、まだ自分が「育てたい」と胸を張っていえるレベルには至ってないことを痛感する日々です…。山岸専務はどのように新人編集者時代を過ごされたのですか?

山岸
最初に配属されたのが『少女コミック』でね、僕は男だから少女まんがの世界で面白さをつくり上げることに苦労してたんだよ。だけどその新人作家に出会った時、自分が思い悩んでいたすべてをぶつけて、新人作家とともに成長していけるんじゃないかと思えた。仕事が「面白い」と思えるようになったきっかけだったね。「一度は編集長になってみたい」という考えが強くなったのも同じ時期だったかな。吉田さんは「編集長に」と考えたことは?

吉田
編集長なんて偉大すぎて! 目の前の悩みに手一杯なのが現状ですね。山岸専務は、いい企画が出せなかったり、作家のサポートがうまくできなかったりして煮詰まった時は、どうやって気持ちを切り替えていましたか?

山岸
悩みまっただ中の時はキツいから酒を飲んだり、友人と騒いだりして自分の気持ちをごまかしていたな。しばらく悩みの種を放っておくのもいい。それもテクニックだから。でも、最終的にはごまかしは効かないよ。苦しい体験を蓄積することで、それを乗り越える気力も養われる。人生の苦労こそが、結局は苦労を持ちこたえる糧になる。今はしんどいと思うけれど、精神を強靭にするための道のりだと思ってがんばるしかないと思うよ。

目指すところは

先に何ができるのかはわかりません。
でも「面白そう」なのはわかります

山岸
僕らはわりと出版業界が右肩上がりの時に仕事をしていたけれど、今は紙の本以外のデジタルメディアもたくさん並べられている時代。みなさんは〝本の世界〟をもっと複雑に考えなくてはいけないことになると思うんだ。どういう風に考えているのか、興味があるね。

長岡
『コロコロコミック』は小学生の男の子向けの雑誌なので、比較的「デジタルの影響を受けにくい」といわれています。最近だと一昨年に『妖怪ウォッチ』が大ヒットして、今でも看板としてあり続けている作品です。そこには、まだまだ〝紙〟の雑誌を楽しみにしてくれている読者がいっぱいいるんです。自分も『コロコロコミック』に配属された以上は〝子ども向け=デジタルの影響を受けにくい〟という特性を活かして、〝紙〟の世界で『妖怪ウォッチ』みたいな社会現象級のコンテンツをつくりたいと思っています。…でも、まだ少し思っているだけです。今は日々の業務に精一杯なので(笑)。

山岸
そうだよね、長岡くんのいる編集部には目標となる作品が目の前にあるから、自分でもできるかも…と思えるよね。『ポケモン』と『妖怪ウォッチ』のブームの起こり方も全く同じじゃないよね? だから次も『妖怪ウォッチ』とはまた違う方法で、その時代に合った新しいブームをつくることはできるかもしれないね。

長岡
はい、今またベイブレードが流行りつつあるという状況も、少し楽しみなんです。

吉田
私は在籍している『少年サンデー』を、実は配属されるまで読んだことがありませんでした。物語の勉強のために映画を観るようにしているのですが、編集長には「もっと少年まんがを読め」といわれて、まずはそこからはじめています。でも、少年まんがで、しかも日本で3本の指に入るくらい有名なまんが雑誌でできることってすごくあると思うんです。〝読んでなかった人間〟なりの、〝女〟なりの「私にできること」が何なのか、毎日探しています。

山岸
〝女性がつくる少年誌〟って、立ち位置的には面白いよね。連載の中で「女性が担当しているんだ」というニオイを、どこかで、知らないうちに出していくことになると思うと、楽しみになるなぁ。『少年サンデー』は、他誌に比べて女性っぽさというか、柔らかさがあると思うんだ。だから、吉田さんのいい部分が生きるような場所ではあると思うけど、自分なりの表現を実現できるといいね。

オフについて

先輩たちと朝まで飲んだ次の日も
朝一番で出社して成長の糧を探します

山岸
2人とも、休みはちゃんと取れてる? 僕らの若い頃は土曜も半日出社だったし、休みなんてあるようでなかったなぁ。日曜も朝方寝る生活だったし、夕方に目覚めてやっと体力が回復したなと思ったら、もう月曜。週末はそんな風に過ごすのが大半でプライベートの記憶はないね(笑)。

吉田
私は今、ダメなパターンに陥ってます…。本当は休みの日に書店に行ったり、家でまんがを読んだり、映画を観たりといろんな作品に触れたいのですが、つい会社に出てしまっていることが多いです…。 目の前にある仕事が週5日じゃ終わらないと思った時に「お! 7日とカウントしたら終わるじゃん」みたいな。洗濯物は洗濯機の前に日々積まれていく状態です。

長岡
僕は比較的休めていると思います。『コロコロコミック』はイベントが多いので、その時期は休めなかったりしますが…。 休日は結構外へ出かけることが多いです。最近、電車の中やショッピングセンターなどで子どもたちがゲームを している姿を見かけると、つい覗き込んで、何のゲームをしているのかチェックしてしまうようになりました。 不審者にならないよう、できるだけ自然な感じで覗いてます(笑)。 山岸専務は、平日の仕事が終わってからはどう過ごされていたんですか?

山岸
いやぁ、昔はよく飲んだなぁ。生演奏で歌える飲み屋っていうのがあってね、上司や同僚と朝7時くらいまで歌って、飲んで。帰ってきて10時に寝ても13時には出社して仕事、なんてことはザラだったよ。作家と飲みにいくこともあったけど、編集者同士だと同じ熱意のある者同士っていうのもあって、熱くなっちゃうんだ。そういうこと、ない?

長岡
朝まで飲んだりっていうことは、意外とないですね。そもそも仕事が終わるのが遅いので、〝アフター5〟という概念がないです。平日の就業後はだいたい帰って、寝て、出社、の繰り返しですね。吉田さんはよく飲みに行く?

吉田
うん、24時頃から編集部の先輩たちと「よし、飲みに行くぞ」っていうことはあるかな。…結構あるかもしれない(笑)。そこで、会社では聞ききれないまんがづくりに大切なことを先輩たちに教えてもらっています。でも、どんなに遅くなっても〝9時半出社〟っていうサンデールールがあって…。

長岡
え!? 何それ?

吉田
「這ってでも9時半に来い」っていうのがあるので這って行っています(笑)。

山岸
最初はそうだよね(笑)。僕たちもそういうルールがあって、這って行きましたよ(笑)。先輩が来る前にデスクを拭いておくのも新人の仕事で、拭きながらデスクの上を見ていると、その人が今どんな仕事をしているかが分かるんだよ。そういうところからも仕事のやり方を盗む=学ぶものだよね。

長岡
それは僕もいわれています。「先輩の机を見て仕事を覚えろ」って、何度も。

吉田
私は先輩が電話しているのを聞いて、何かを依頼、たとえば作家にネームの直しを伝える時のニュアンスとか、うまくやりとりするテクニックを盗むようにしています。