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確固たる美意識のもとに面白いまんがを世に出す最終決定機関として 市原 武法 第二コミック局「少年サンデー」編集長 1997年入社

市原 武法は、こんな人

入社以来、少年まんが一筋。出版社に対する知識を何も持たず入社したが、もともとの「物語が好き」という強い気持ちから『少年サンデー』編集部で毎日を楽しく過ごす。編集時代は光る新人作家に出会うべく、編集部への持ち込み原稿を誰よりも先に目を通したり、自身が「面白い」と感じる企画を提案したり、編集のエキスパートとして努力を重ねる。『ゲッサン』『少年サンデー』で編集長に就いてからは、自身の担当作品を面白くすることに没頭していた現場の頃と意識に大きな変化が。新人作家はもちろん〝編集のエキスパート〟育成にも大きな必要性を感じる。現在は、『少年サンデー』をよりよいものにすべく、改革の名の下に山ほどある改善点に着手しているまっただ中。
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FAVORITE 学生の頃に読んで衝撃を受けたスティーヴン・キング『小説作法』の新訳バージョン。100冊購入して作家に配っているくらい素晴らしい内容

編集長はゴールではなく、
まったく違う仕事のスタート地点

編集長を何年も務めていますが、これより楽しい仕事はないと思っています。この役目に就いて、特に『少年サンデー』に戻ってからは、「どんな手を使ってでもこの雑誌を面白くしてやる」という気概のある編集者を育てることが僕の使命。気概は自信の表れですから。〝出版物をつくる仕事〟というのは、描く(書く)のも人間、編集するのも人間と、結局は人間の集合体によるもの。そこには作家というそれぞれ個性のある才能群がいて、伴走するのが編集者。その編集者がそれぞれ独立した美意識を持っていないと組織として弱いんですね。全員が独自の美意識の塊であって初めて棘がいっぱいある、雑誌の〝雑〟という字が作られるのです。だから、まんがの編集者に必要なことは「そつなくこなす」能力ではなく、「何がしたいか」を明確にすること。それこそが〝美意識〟。僕が編集長としてまずしなくてはいけないのは、そんな強い思いを持った編集者を1人でも多く輩出することです。

物語は楽しく生きていくうえでの原動力。
つまらないと感じることはひとつもない

活字が好きで、物心がついた時にはジャンル問わず〝物語〟が大好きでした。突然、暗転したり好転したりする人間の運命みたいな、どうしようもない業みたいなものが面白くて。あだち充さんに勧められて落語を聞き始めたら、「業を笑う」ようなお題がたくさんあってあっという間にハマりましたね。こんなに物語が好きなのに、学生の頃はそれを職業にしようなんて考えてもいなかった。その僕が小学館を受けたのは、自分の青春のヒーローだったあだち充さんにひと目会ってみたいという思いと『少年サンデー』をずっと愛読していたから。マスコミ志望というわけでもなかったため、この業界で受けたのは小学館だけでした。意外にも受かってから、「じゃあ死に物ぐるいで1年間だけやってみよう」と決心を固めたのです。やはり、もともと好きだった本の世界。やりたいことが山ほどでき、それを熱弁したらチャンスをくれる最高の場所でした。好きという気持ちとやりたいこと、そのふたつがあれば誰でもいい仕事ができると思います。

市原が芽立った瞬間!

少年まんがに配属されて一番面白そうだと思ったのは、新人育成。それまでプロのまんが家は〝もともと才能のある人がズバズバ描いて、ヒット作をバンバン出す〟くらいの感覚でした。〝未熟な若者が修業してまんが家になる〟という概念がなかったのです。新人作家の才能を開花させる仕事に魅力を感じ、自分の目利きが養われて初めて「プロのまんが家になれる人」と確信を得たのが田辺イエロウさんとモリタイシさん。やはり、次元が違いましたね。

私の履歴書

1997年

「少年サンデー」
編集部に配属

毎日提出するのがルールだった〝アイデアノート〟を書き続け、夜はほとんど上司や作家との
会食が日課。3年目までは持ち込みまんがの多くに目を通すことで目利き力を養う。

2009年

「ゲッサン」編集長代理に就任
『ゲッサン』創刊

新人作家育成に力を入れた新雑誌創刊企画を通し、編集部を設立。「まんが編集者である限りは、こんなことをしたい」と目標にしていた〝人材育成〟を新しい雑誌で本格的にはじめる。

2010年

「ゲッサン」編集長に就任

本来ならここでまんが編集者としては一線から退くが、新人育成の魅力を忘れられずに現場の仕事を続ける。〝月刊〟というリリーススパンだからできたこと。「ゲッサン」編集部でやり残したことはないけれど、あっという間の7年だった。

2015年

「少年サンデー」編集長に就任

編集長として責任の所在を明確にするため、作家と読者に向けて意思表明。8月19日発売の38号に宣言文として掲載する。編集者を鍛えあげること、作家に編集部としてのビジョンを伝えること、そして新人作家育成に尽力中。