竹下 亜紀

“共感力”を身につけた人が集まる
書籍編集。
「読者に満足感と幸福感を」
の思いで日々努力

竹下 たけした 亜紀 あき

出版局
生活編集室 編集長
1992年入社

竹下の人柄
幸せを感じる
沸点が低い

プロフィール

「本に囲まれた仕事がしたい」という思いを持って出版社を希望。入社後、最初に配属されたのは当時の第二編集部『ビッグコミックスピリッツ』。その後、1996年に異動した『小学一年生』で出会った先輩に「編集者とはなんたるか」をたたき込まれ、1999年からは女性週刊誌の『女性セブン』でさまざまなジャンルを扱うことの楽しさを知る。2007年に出版局・新雑誌準備室に副編集長として着任し、以降、同局の「歴史・美術」や「学芸」などもともと興味のあった分野を扱う部署に勤務。2016年より現職にて、書籍の中でも主に実用書を手がけている。書籍編集はジャンル問わず多種多様な案件を扱えるため、本人は「飽きっぽい私にとって、仕事のリズムが合っている」とのこと。それは1週間ごとにやること=扱う企画内容が変わっていく『女性セブン』で感じた高揚感に似ているとか。

私の好きなモノ・コト

『宮廷女官チャングムの誓い』をはじめとする韓流ドラマ全般の大ファン。これは、韓国の明洞(ミョンドン)にある変身写真館で撮影した1枚。韓国は修正技術がとても高く、短時間で素晴らしい見た目に仕上げてくれます(笑)。

「おもしろい」を
いろんな角度から捉え、
好きなこととリンクさせて
本はでき上がる

私が今いる部署は、雑誌を経験してきた人たちばかり。そのせいかみな、今もあらゆる媒体に目を通し、各方面にアンテナを張っています。編集者の素養として重要なものの中に、「人がおもしろいといっているものを、おもしろいと思える」=他者への共感力があります。自分の直感は大切ですが、それだけを追いかけた本では、読者の共感は得られません。編集者は何よりもまず、他者の「おもしろい」に共感し、それを起点にして別のこととつなぎ合わせたり、膨らませたりしながら1冊の本をつくり上げます。たとえば、私はもともと美術が好きなのですが、制作費がかさむため美術本は簡単にはつくれません。そこで、大好きな画家・林静一さんと流行中の“大人のぬりえ本”を組み合わせた『初恋ぬりえ 小梅ちゃんの世界』を立案し、書籍化しました。ひとひねり加えて、“好きなこと”を本にできた例ですね。小学館は経験豊かな先輩が自分たちの経験をもとにあれやこれやアドバイスしてくれるので、持ってるネタはあたためすぎずできるだけ言葉や文章にするよう心がけています。

本をつくる原動力は
「人の役に立ちたい」という思い。
ひとつ叶うごとに
少しずつ自信になっていきます

書籍と雑誌の大きな違いといえば、書籍は自分が編集長のような立場で1冊の本をつくり上げることができる、という点です。また、雑誌のように「何十万部売れないと採算が合わない」というつくり方ではないので、必ずしも大勢の読者=マスをターゲットとせず、その隙間を突くニッチなテーマを取り上げることができるのも特長です。自分がつくった書籍が、数は少ないかもしれないものの “だれかの役に立つ”。編集者としての幸せはそれに尽きます。東日本大震災が起きて以降、私はその意識をより強く持つようになりました。当時、被災地をサポートできる直接的な能力を持たない自分に愕然としましたが、「現実的に、すぐ、自分にできることはないか」と考えたら、“本をつくること”だったんですね。少しでも多くの人に「この本があってよかった」と感じてもらえるよう、さまざまなジャンルの小さくても需要のあるテーマをこれからも探し続けていきます。

デスクからみる竹下の人柄

竹下ってじつはこんな人

昼12時過ぎ、夕方5時半頃が彼女のお弁当タイム。毎日2個の「やせおか弁当」を欠かさず続けています。編集した『やせるおかず 作りおき』シリーズのレシピを日曜の夜にまとめて料理して、ランチと小腹がすく夕方に“サラめし”しているんです。成果は、6か月で、体重が7キロ減! 竹下さんは小柄な体に「やり抜く力」が詰まった人です。『初恋ぬりえ 小梅ちゃんの世界』を企画する乙女心を秘めながら、肉を前にすると瞳がランランと輝く“肉女”でもある多面体です。

生活編集室
小澤 洋美

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