第二コミック局 少年サンデー

よしだ ゆり

吉田 有里

2015年入社

『名探偵コナン』担当編集という大役も、
“コナン愛”で乗り切る

プロフィール

小説の作家に憧れていたときもあったが、影で支える編集者を目指す。小学館に入社後、『少年サンデー』編集部に配属され『名探偵コナン』の担当に。他には連載に向けて準備中の作家ふたりを担当。さらに15名以上の新人作家を抱えている。まずは作家本人の趣味や属性を探ることからはじめ、打ち合わせを繰り返しながら、共同作業でより良い作品に仕上げていく。

人気作家の担当は、まんが以外にも
映画やグッズの仕事など幅広さが魅力

『名探偵コナン』の担当編集を、先輩とふたりで“ダブル担当”しています。この作品はミステリー要素があり謎解きが肝心なので、担当編集は打ち合わせに向けそのトリックとなりそうなアイデアを考えていきます。「最近の若者にはコレが流行っている」というネタは世代的に情報を得やすいので、青山剛昌先生の役に立てるように日々リサーチをしています。それらを素材にしながら、青山先生がストーリーやトリックなどを組み上げていきます。『名探偵コナン』担当の特徴といえば、映画やテレビアニメ、キャラクター商品化など、週1回のまんが連載以外の仕事も多いこと。どんな内容でも青山先生は必ず監修されるので、編集者が窓口になり、先生とクロスメディアなどの担当部署をつなぐ役割も大切な仕事のひとつです。そのためには脚本や絵コンテなども確認し、先生の意見をかみ砕いて的確に各部署に伝えていけるように意識しています。大きい作品ほど、仲介役としての役割が肝要だと痛感する日々です。

ダメ出しされる理由は自分への甘えだった。
それをひとつずつなくしていく

『少年サンデー』編集部は男性が多いですが、『名探偵コナン』の読者の約7割が女性です。私も幼少期から『名探偵コナン』を見ている生粋の“コナン世代”なので、グッズや付録ステッカーは、男性だけでなく女性にも刺さるものをつくるように意識しています。もちろん上司から異なる意見を言われることもありますが、どんな意見にも“これがいい理由”をいくつも準備して粘り強く説明します。もちろんただ“好き”というだけではいちファンになってしまうので、編集者としては俯瞰した目線も忘れないようにしています。1年目のときに、“ここ突っ込まれるかな。ま、気づかれなきゃいいか”と自己本位でスルーしたところは、必ず上司から指摘されることに気がつきました。これは読者を無視した自分への甘えが原因でした。今はすべてに説得力のある理由を用意して、作家・読者に対して誠意のあるまんがやページづくりを行うことを一番に考えています。

人生を変えた1冊

『パラレル同窓会』藤子・F・不二雄/転勤族だった子ども時代。学校や習い事に長く通うことができず、悔しく思っていました。でも中学3年生のときにこの話を読み、過去のどんなことより「この今」が大切だと気づかされました。

成長させてくれた1コマ

『名探偵コナン』のコミックス93巻発売時に、どの巻にどの話が掲載されているかを帯で紹介する“帯キャンペーン”の構成を考えました。特に同時期に公開された映画の登場人物を「●●初登場!」と、重点的に見せています。

  • 10:30 起床
  • 12:00 出社。前日にたまったメールチェックと返信
  • 13:00 担当作品の2次利用(商品化)の監修会
  • 14:00 カラー記事の校了
  • 15:00 デザイナーと『サンデーS』表紙デザインの打ち合わせ
  • 16:00 担当作家と打ち合わせ
  • 17:00 新人作家と打ち合わせ
  • 18:00 ライターとカラー記事の打ち合わせ
  • 19:00 まんがや活版記事の校了
  • 20:00 夕食
  • 22:00 カラー記事のラフづくり
  • 24:00 月例のまんが賞の原稿読み
  • 26:00 帰宅、就寝

自分を動かす愛用品

スマホで主に使っているのがメモ機能。トリックや流行など、まんがのネタになりそうなものはとにかくメモしています。あと辞書アプリの『大辞泉』は編集者には便利です。打ち合わせ場所確保用として複数の飲食店アプリも必須。

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