マーケティング局 書籍SP室

たいら ひびき平 響(新入社員)

ピストル射撃の元日本代表です!

プロフィール

小学館に入社する前は、他社で働きながらピストル射撃で東京五輪を目指していました。2020年は圏外!と悟ったとき、自分が今後やりたいことを考え、転職を決意。出版社を志し、企業理念に共感したことが決め手で小学館に入社しました。第二新卒で入社していますが、26歳にして2回の転職歴アリ(笑)。こんな人もいます、小学館には。【好きなもの】競技用ピストル:Walther LP400 Carbonという、ルパン三世の銃と同じメーカー!

正直に言うと、志望部署は編集でした(笑)。

「自分の欲しい本をかたっぱしからつくるために、単行本をたくさんつくる部署に行きたい!」。その希望は通らず、マーケティング局に来ました! 算数もニガテなので少々苦しんでおりますが(笑)、書籍SP室は滅多に新入社員が配属されない部署なので、先輩方に可愛がっていただき、のびのび過ごしています。多くの書籍の企画書、データ、売上を目にすることができるので、とても感化される場所です。小学館から出るすべての書籍が通るところですので、仕事中に思いついたアイデアや、出会った企画は、メモに残したり、家の机に貼ったりして、今後のために密かに取っておいています。仕事としては「新書」と「一般書」の一部を担当しています。新刊の初版をどのくらい刷るか、どこで売れているのか、宣伝を打ったらどれくらい伸びたのか、他社から出ている類書はどんな動きをしているのか、重版はどのタイミングで何部刷るのか、などなどなどなど! 数字から本の動きを読み取り、利益を最大化することが仕事です。マーケ目線でタイトルやオビについて編集者から意見を求められることもあります。ここからは、私が担当した本を例に書籍SP室の仕事を詳しくご紹介します!

  • 家の机。同期と撮った写真や内定者課題で使った企画ノートなど大切なものがおいてあります。

  • 新書の売上資料を読んでいるところ。

配属から2か月、思わぬところで夢が叶う!

配属から2か月が経ったある日。担当書籍で『地図の読み方』という登山者をターゲットとした地形図の読図本が、在庫僅少で重版が必要ということに気がつきます。なんとこの本、発売されてからちょうど20年のロングセラー商品。「この機会にオビを替えませんか?」と編集部へ提案すると「君も一緒に考えてみる?」という嬉しい言葉が! 学生時代、コピーライターに憧れていたので当然「やる! 書く!」と二つ返事をします。考えた案は「いいオビだね!」とお褒めの言葉をいただき、採用してもらいました! 出版社のマーケティング局でコピーライターになれるなんて! 昔からの夢が叶ってハッピーです。できあがったのは画像のオレンジのオビ。「もし、山でスマホが使えなくなったら?」といういちばん上の文言にこだわりました。「スマホ」という言葉が入るとなんだか今っぽくなりますよね。ネット書店での売れ行きが好調だったので、そこでの相性を考えました。マーケ目線だから書けた、と言えるかもしれません。本も流石20年売れている本! とてもおもしろいので、是非お手にとってご一読を!(笑)。

  • 『地図の読み方』。左が私が考えた新オビで、右が旧オビ。

  • 書店にFAXする注文書。書店員さんがこれに必要部数を記入し、返信してくれます。

本を届けるまでがお仕事です。

『地図の読み方』、その後の話。オビを替えて重版して、販売会社に本を卸して、後のことはすべてお任せ~!というわけにはいきません(笑)。こちらも本を売る努力をします。たとえば、本の注文を募るFAXを書店へ送ること。『地図の読み方』の売上実績店だけでなく、アウトドア誌『BE-PAL』の売れ行きが好調なお店など、ときには数百件に及ぶFAXを送ります。注文を募り、数を調整して商品を発送! その後も売り逃さないよう、本の動きを追い続けて次の重版の機会を見計らいます。⋯⋯マーケティング局の仕事内容、イメージしていただけましたでしょうか。コミックや雑誌は、書籍とは売り場も流通も違いますので、それぞれ異なる戦略があります! 「本をつくるまでが仕事ではない。読者に届けるまでが仕事である」。研修中に言われた言葉です。私は思春期のころ、人生のちょっとしたスランプになりました。そのとき図書室でひとり本を読んで過ごしていたのですが、振り返ると、とてもいい時間だったと思います。私の仕事は、あの日の自分に本を届けること。そんなつもりで頑張っています!

おもしろ層Q&A

Q.もし、小学館に入社していなかったら、何をしている?

A.コピーライターを目指していたかも!? キャッチコピー好きがキッカケで文章を書くこと、読むことにも興味を持ったので、就活中も広告業界の志望度は高かったです。面接でも「コピーライターに憧れています!」と正直に話しました(笑)。

Q.もし、遊園地に速すぎるジェットコースターと、
遅すぎる観覧車しかなかったら、どっちに乗る?

A.ジェットコースターはこれ以上速くなるな。怖い。かといって観覧車はトイレが心配なので、ここはあえて「遅すぎるジェットコースター」に乗りたいです。ジェットコースターってスリルを楽しむものだけど、のんびり乗ったら景色が楽しめそうでイイですよね。ゆ~っくり一回転されたら死ぬほど怖いですが。

Q.もし、手に入るなら未来が読める能力と人の心が読める能力、どっち?

A.どっちもいらない!(笑)。「もう何も信じられない!」と言って引きこもるか、力を利用して荒稼ぎし、お金に魂を売って破滅しそう(笑)。どうせならドラえもんの秘密道具がほしい。最近気になる道具は「温泉ロープ」です。マーケティング局の会議室にはドラえもんだけでなく、たくさんのまんがが置いてあるんですよ!

Q.おもしろい(interesting)ことと、おもしろい(funny)こと、
今どっちを求めてる?

A.Interestingには充分恵まれているのでFunnyで! 無駄に笑いたくて「ボケて」やおもしろ動画を無我夢中で見漁ることがあります。笑い転げ、疲れ果て、眠る。こんなことをひとり、6畳1Kの家で夜な夜なやっているというのだから、なんだか危ないです。でも小学館の人はだいたいこういうことをやっている気がします(笑)。

1日の仕事の流れ

  • 7時30分起床
  • 9時30分出社。To Doを書き出す
  • 10時類書や部数の調査
  • 12時先輩方と美味しいランチへ♪
  • 14時書店でイベント打ち合わせ
  • 16時販売会社との会議
  • 19時会議資料作成
  • 21時寄り道をして帰宅
  • 24時就寝

発掘!おもしろ層

つくることがおもしろい! モノでもご飯でも、完成したときの感動を一度味わうとやめられません! 最近だと夏につくったTシャツの出来が我ながらよかったです。「どこで買ったの?」と知らない人に話しかけられたことも。

3rd EYE サイト製作者は見た!

人生は、狙いうち。

今回の社員紹介、実はすべて社員自ら写真を撮り、原稿も執筆している。そんな中、ひと際売り込み上手な彼女の文章。読者に狙いを定め、やる気を促す巧みなセールストークは、マーケティング局という職業柄か、あるいは人生経験からくるものなのか? 高校時代、熱中したバスケを怪我で諦め、その後スポーツ射撃でオリンピックを目指すも断念。幾度とない挫折は彼女を明るく強く、常に新たな目標を定め狙いうちする人にした。「いつの日かひとつの本をみんな(チーム)でつくりたい。マーケですけど(笑)」。すでに企画が頭の中でできあがっている「〇〇図鑑」。彼女ならではの着想、読者のハートを射抜く企画はここではまだ明かせない。知りたい人は小学館に入社して本人に聞くしかない。(by ネコ偏愛者・制作会社ディレクター)