作家とは広く、深く、つき合います!
今担当している作家の中で最年長は、2021年に70歳を迎えるあだち充先生です。そしていちばん若い作家は15歳の中学生。これだけ年齢差があると、価値観やセンスも全然違いますが、「おもしろいまんがが描きたい!」という情熱は皆さん同じです。
打ち合わせによって、僕の好きなことやおもしろいと思うことが、作家の創造力と混じり合いつつ、素晴らしい作品としてできあがるのに立ち会う瞬間がこの仕事の醍醐味だと思います。
もちろん打ち合わせをすることがいちばん大事な仕事なのですが、一緒に飲みに行ったり、映画を観に行ったり、甲子園に野球観戦に行ったり、時には引っ越しを手伝ったり……作家の皆さんと一緒に本当にいろいろなことをします。作家はどの瞬間も「おもしろい」のタネを探していて、一見遊んでいるように見えてもそれが作品が生まれる現場なのです!(多分)
その仕事をどこまで細かく考えられか。神は細部に宿る!
18年に及ぶ大人気作である『ドロヘドロ』、その待望のアニメ化に携わりました。
キャラクターデザイン、世界観設計、台本、音楽、そのすべてを林田球先生と、アニメ制作会社の方々との綿密な打ち合わせを重ねながら進めました。
主人公・カイマンのウロコの表現はこれでいいのか、このシーンの衣装チェンジは譲れない……などなど、「このままだと本当に終わらないよ!」と思う緻密さでした。通常の連載もしながらの作家が、アニメの制作にどのくらい関わるかは人それぞれなのですが、林田先生は「ファンの方に納得して貰いたい」という想いから、膨大な時間をつぎ込んでくださいました。
苦労の末にできあがった映像は大好評で、実際に原作ファンの予想を上回る出来だったと思います。
オフのスイッチを無理矢理入れる!
休日は子供と遊んで過ごしています。編集者は日常のあらゆることを仕事に繋げて考えるクセがあり、仕事モードを解除するのが難しかったりするのですが……そこは心を鬼にしてまんがの事は考えない!ということにしています。そうすると休日明けに溜まりに溜まった「まんが欲」でバリバリ仕事ができるのです。もちろんまんが家という仕事には休日という概念がないので、休みにネーム(※)が届くことは当然あるのですが、その瞬間は全力で仕事に向かい……という、さらに細かいON/OFFもしています。独身の時はそれこそ24時間ずっとまんがのことを考えていましたが、家族ができ、メリハリを意識する現在のスタイルに至りました。
それと休日の趣味はゴルフです。『風の大地』というまんがが大好きで大学生の時に始めて、10年来の趣味になりました。まんがに大きく影響を受けた人生……。
(※)ストーリーやコマ割の下書き。
その才能、磨かせてください!
数多くの才能ある作家が小学館の媒体で執筆していることと、その才能を輝かせたい意欲ある社員がたくさんいることが、いちばんの魅力だと思います。僕が担当しているまんがに、他編集部から「そのまんが、ウチの雑誌で紹介させてください!」と声がかかったり、営業からは「こんな販売施策をやりましょう!」と声をかけてもらえることも多いです。また、アニメ化・実写化をはじめとしたメディアミックスに関しても心強い専門の社員がいます。「この作家を社内みんなで輝かせようとしている!」と感じられる瞬間がとても幸せです。そして入社以来ずっと変わらない僕の目標は、今はまだ世に出ていない若い作家に、あだち先生のような……70歳80歳まで活躍する作家になっていただくことです。
- 9:00
- 起床。家事
- 11:00
- 出社。
事務作業など - 12:00
- 昼食をとりながら
作家と打ち合わせ - 15:00
- デザイナーと
コミックスの
打ち合わせ - 17:00
- ネームチェック。
入稿作業 - 19:00
- 帰宅。
家族と夕食 - 24:00
- あだち先生の
仕事場へ(!) - 26:00
- 帰宅。就寝
あなたの変だと思う部分はなんですか?
自作のポエムをスマホに溜めていることです。雑誌のアオリやオビのコピーに使えたりするので……。人にはあまり見せたくありませんが!
小学館 / 小学館社員のここが変だと思う部分はなんですか?
好きなものが“局所的”でとても“深い”と思います。ある社員の家にお邪魔したら、アイアンマンのフィギュアだけが10体以上ありました。そんなに要る……?「変」とは、強いこだわりのことだと思います。
「こんな変をつくりたい」「世の中をこう変えたい」といった思いをお聞かせください。
カバーがプラスチック仕様の『大ダーク』というコミックスを作りました。特殊な仕組みでまわりからは難色を示されましたが、なんとか説得し、素晴らしい本ができたと思っています。「ダメ!」と言われる先にあるものをつくりたいです。
あなたのレベル上げのコツ(働く上で普段心がけていること)を教えてください。
「未知のダンジョンに軽装で踏み込むこと」。えいや!で踏み込んでしまうほうが、レベルを上げて、装備を揃えて……と地道に進むより得なことが多いです。たとえやり過ぎても死ぬことはあまりない……と思います!
就活生の皆さんへ
出版社で働いてみたいけど、自分はそんなに「変」じゃないかも……と思ったアナタ、大丈夫です! 確かにこの会社には変な人はたくさんいますが、生まれながらに人と違う!という訳ではないと思うんです。自分がとにかく好きなものを追求していたらなんか「変」になっちゃった……みんなそんな感じだと思います。就職活動を始めるにあたって、自分の中の「好き」を見つめ直してはいかがでしょう?
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芳仲 宏暢
第二コミック局
少年サンデー -
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COMMENT
理系大学院出身です。河川工学を学んでいました。就活の時に突然「俺はまんがが好きだ!」と思いこの会社に入りました。いまだに「なんで出版社??」と言われますが、僕自身もよくわかりません。ただ10年目にして思うのは、「好きな仕事じゃないと死力を尽くして働けない!」ということです。