PROFILE
- NAME
- 夏目 毅 TAKESHI NATSUME
- DEPARTMENT
- 第三コミック局 ビッグコミック編集部 デスク
- CAREER
- 2013年度入社
- あなたをひとことで
言うとなんですか?
読者の心を満たすため、
“面白い”を形に
ひたすら“面白い”とは何かを考えながら、漫画と向き合っています。企画を立ち上げるときも、連載の打ち合わせをするときも、まずは私が面白いと思えるかどうかが大前提です。そこから読者が面白がってくれるかどうかをじっくり考えます。企画を出すたび、先輩に「それ、本当に面白いのか」としつこいくらい聞かれますが、結局そこで、自分自身が強く面白いと言えないものが読者に刺さることはありません。
ちなみに、入社以来『ビッグコミック』一筋の私ですが、多くのレジェンドと仕事をしてきた中で、いちばん印象に残っているのは、『ゴルゴ13』作者のさいとう・たかを先生です。画業66年間、最期の最期まで、一度も休むことも、締切に遅れることもなく、読者が満足する原稿を描き上げることに心血を注がれたお姿に、仕事人の魂を感じました。
読者の心を満たすために、“面白い”とは何かを追究することこそ、漫画づくりに必要だと思っています。
家族の予定を最優先、
1人の時間も大切に
平日は遅い時間まで仕事で、家族との時間もなかなかつくることができないので、休日は貴重な家族との時間を最優先。元気いっぱいの子どもたちと、公園や動物園、水族館、キャンプなど、毎週のように出かけています。子どもといっしょに(子ども以上に)目一杯遊ぶことで、少しだけ若くなれる自分がいます。『ビッグコミック』という青年誌にいながらも、若い感性は絶対に必要だと思っているので、子どもたちとの触れ合いは、まさに童心を思い出す良い機会です。
また、毎月必ず1度は1人登山をしています。アルプスや北関東の山など、携帯の電波も届かない大自然を黙々と歩くことで、リフレッシュできるのはもちろんですが、普段ひらめかないような漫画のアイデアが浮かんでくることも。漫画や小説を読んだり、映画やドラマを観たりすることももちろん大切ですが、登山のように自分と向き合える時間も編集者には大切だと思います。
長い歴史があるからこそ、臆することなく挑戦できる
小学館は2022年に100周年を迎えました。長い歴史の中で築き上げた伝統というしっかりとした土台があるからこそ、新しい挑戦ができる社風があると思っています。
『ゴルゴ13』は連載開始から55年が経ちました。最近ではコメディタッチのコラボ企画も増えていますが、『ゴルゴ13』には、長い歳月をかけて築き上げてきたモノがあるので、その絶対的な作品イメージがブレることはありません。だからこそ、臆することなく新しいことにもチャレンジできるのです。2021年、『ゴルゴ13』シリーズでは初となるスピンオフ連載を始めて、大きな反響がありました。先日発売となった単行本もすこぶる好調です。でもこれは、新たな挑戦の始まりに過ぎません。長く続いているものにはあらゆる可能性があるはず。『ゴルゴ13』に限らず、歴史ある小学館だからこそできる新しい挑戦があると思っています。
大学・大学院で日本史を学び、就活直前まで教員志望でいた私ですが、子どもたちに、より歴史に興味をもってもらうためには漫画の力が絶大であることに気がつき、出版社で働くことを決めました。いざ働いてみると、思った以上にさまざまなテーマで、多くの読者の“きっかけ”をつくれることがわかり、改めて漫画の力を感じています。