社員を知る

出版局 辞書編集室
S.M(2021年度入社 経験者採用)

ミスターマイルド

転職して数年が経った辞書編集者。1冊の辞書には多くの人が長く関わるため、雰囲気や関係性を重視して、飽かず倦まず、安定した仕事(職場)でありたい。上司から「マイルドでいいね」と言われて以来、より積極的にそれを目指しています。

社員を知る
小学館の誇る『日本国語大辞典 第二版』がこちら。約50万項目、全14巻、約2万ページの物量です。

仕事内容について

現在の業務内容を教えてください。

日本最大の辞書を改訂する

『日本国語大辞典』という、日本でいちばん大きな国語辞典の編集をしています。いちからつくるのではなくて、2000年頃に刊行された第二版を、2032年に向けて第三版へとアップデートする、“改訂”と呼ばれる仕事です。古代から現代まで日本語のすべてを収める辞書なので言語や文学、歴史の多くの研究者とともに取り組んでいて、日々膨大なデータや文献資料と格闘しています。

やりがいや、大変に感じるのは
どんなところですか?

辞書編集のDX

たくさんのゲラ(校正刷り)と向かい合って、こつこつ赤字を入れていくというイメージをもたれがちですが、辞書編集はさまざまな出版物の中でもいち早くデジタル化された分野です。今もマークアップテキストやデータベースを使った作業が基本になりつつあったり、クラウド、生成AIといった技術でどんどん効率化していたり。過渡期だけに紙の作業にもITにも対応しなければならない半面、進化を感じられて楽しいです。

就職活動について

学生時代の過ごし方、
就職活動の際の「軸」を教えてください。

ずっと編集者志望

子どもの頃から本に関わる仕事がしたくて、中でも編集者を目指していました。学生時代に編集プロダクションや出版社でアルバイトしたり、同人誌をつくったり、ライターの仕事をしてみたり。課題のレポートやサークル活動も合わせて、毎晩毎晩なにかしら企画書や台割、原稿を書いていた気がします。その軸がぶれないままに歩んできました。

最終的に小学館に入社を決めた理由は
なんでしたか?

大事なものを大事にする会社

小学館は長い辞書出版の歴史を持つ出版社の1つです。ただ辞書はどうしてもお金や人手のかかる高コストな出版物で、成果を受け取るまでの時間も長くかかってしまうし、市場も縮小しています。なのに面接で「その重要性から今後も続ける意志があるし、何なら積極的に投資もしたい」と言ってもらって、正直なところ耳を疑いました。もうここしかないと確信した瞬間です。

転職時期、仕事に加えて面接や試験でへとへとになることもありました。そんなときはやっぱり甘いもの。
プライベートについて

プライベートについて

休日は家族と一緒に

まだ子どもも小さく、仕事を離れたら家族と一緒に過ごす時間を大事にしています。大変なこともたくさんありますが、だっこをせがまれたり、一緒におやつを買いに行ったり、レジャーに出かけるような時間もそう長くないと思うと、愛おしさを感じます。辞書編集は長距離走で、日ごと週ごとではなく、年単位で物事を考えてスケジュールを立てます。おかげで育児のために時間を割くこともそれほど難しくありません。同僚も理解ある人たちばかりで、ワークライフバランスを取りやすい仕事といえます。

社員による一問一答!

あなたの好奇心の種はなんですか?

言語です。私たちはなぜ相互理解ができるのか。また難しいのか。言葉を使うという営為はどういうことなのか。たとえばそうした疑問が、編集者をつづける原動力です。

小学館で咲かせたい思い、夢はなんですか?

『日本国語大辞典』の改訂。それを通じて、辞書編集の仕事を未来に託すこと。過去のこととして保存されるのではなく、今も必要な生きた仕事として守っていきたいです。

仕事ではどんな人たちと関わりますか?

印刷製本やDTPなど本づくりに関わる人々はもちろんのこと、日本語学などさまざまな分野の研究者と一緒に仕事をしています。データベースやWeb技術、自然言語処理の専門家との関わりも増加中。

あなたの人生の「とっておきの1冊」を
理由とともに教えてください。

『ギリシア・ラテン 引用語辞典 新増補版』(岩波書店)。かっこいい言葉、意味ありげな言葉がほしくなったときにまず開くのがこの本。

就活生へのメッセージ

とにかく飛び込んでみること、一歩踏み出してみることを恐れないでください。誰だって変化は怖いし、選択が正しいのかどうか不安になります。でも何もしなくても時間を浪費するだけ。道は前にしかなく、進んでみなければ分かりません。今の自分に満足しきっていない限り、挑戦するのみです。

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1日のスケジュール

  • 7:00
    ●
    起床

    家族の朝食を作って、
    子どもを保育園に。

  • 9:30
    ●
    出社

    メール対応やSNSなど
    細かい仕事を処理。

  • 13:00
    ●
    昼食

    神保町はおいしい店だらけ。
    多忙なら弁当。

  • 14:00
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    打ち合わせ

    著者や編者、デザイナー、
    開発会社などと。

  • 17:00
    ●
    デスクワーク

    資料作成やデータの発注をしたり。

  • 20:00
    ●
    退勤

    夕食、お風呂、寝かしつけ……。

  • 23:00
    ●
    自宅作業

    残務があれば自宅で。
    なければ自由時間。

  • 25:00
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    就寝

    家族を起こさないようそっと寝床へ。