NAME

NANA ISOBE

CAREER

2018年入社 / 以来現職

COMMENT

学生時代は学術(絵本研究)と剣術(フェンシング)に没頭したので、「ペンも剣も強し」な編集者を目指しています。子どもに長く寄り添えるものをつくりたいと思い、小学館に入社。『小学一年生』編集部3年目です。ドリル、まんが、学習記事に加え、今年初めてふろく担当に! おもちゃの分解が趣味になりました。

Lv.10000、HEN-TYPE:ペンと剣の二刀流剣士、HEN-SKILL:剣道、フェンシング

誰かの人生を変えうる、「ラブレター」をつくる

月刊誌は、子どもにたくさんの“偶然の出会い”を毎月プレゼントできる場所。もしかしたら、私がつくったこの1ページが、誰かの人生を変えるかもしれない――そんな気持ちをもって、『小学一年生』で2つのことをがんばっています。
①学習誌面づくり。宇宙、恐竜、アートにスポーツ……いろいろなテーマを毎月掘り下げます。博物館や工場を取材し、専門家と議論しながら、わかりやすい見せ方を必死で考えます。
②ふろくづくり。ふろくは、創業以来、約100年間子どもに本や雑誌を届けている小学館の「お家芸」。ただ今必死に勉強中です。何度も楽しく安全に遊べるように、1mmの違いにこだわり、誤飲対策をしたり……。ふろくの厚さは3cm以内にするなどのルールもあり、難しくておもしろいです。
そして何度も試作品をつくっては会社で何十回も遊び、「かわいい〜!」「楽しい〜!」「こうしたらもっと楽しいんじゃない⁉︎」と、子どものようにはしゃいだりしています。

壊れにくい? 安全? 楽しい?……何度も遊んでふろくの確認をします。

アニサキスを求めて、我々はアマゾンの奥地へと向かった

休日は、博物館めぐりをしています。気になったことはすぐに調べる性格です。
以前職場の先輩が2人ほど、刺身に潜んでいた寄生虫『アニサキス』にあたり腹痛に苦しんでいました。「アニサキスって何者? なんで腹痛になるの?」と気になって仕方なくなり、翌日早速1人で東京・目黒の『目黒寄生虫館』へ駆け込む私。
数百種類のホルマリン漬けの寄生虫が並び、アニサキスの見た目や刺身にいる時の見極め方までバッチリ学びました。他にも、小腸に潜むという全長8mの紐状の『日本海裂頭条虫』の展示も圧巻。「ウヒャ〜気持ち悪い〜!」と全身がゾワゾワするほどの衝撃と興奮でその日は眠れませんでした(その後悪夢を見ました)。
数秒で簡単に検索できる時代に、あえて自分で体験して心を動かすことは、投資だと思っています。そして企画のヒントはきっと、心がワクワクするものはもちろん「心がザワザワする」ものにも潜んでいます。ザワザワスポット、募集中です。

思いきって手を挙げれば、“かたち”になる

小学館の魅力は、①若手も企画をどんどん出して「仕事をつくり出せる」ことと、②社内中にあらゆるプロフェッショナルがいて「つながっていける」ことです。
2年目のとき、初めてゼロから企画書をつくり、単行本を編集しました。『カサうしろに振るやつ絶滅しろ!』というマナー図鑑です。本づくりがわからずおろおろしていると、部署をこえてさまざまな先輩たちが助け舟を出してくれました。「児童書の表現は〜」「発売時期は〜」「色味は〜」「紙質は〜」など、数々の知見から丁寧な助言をもらい、なんとか形になりました。
そしてこの本は8つのテレビ番組に特集され、社内で先輩たちから「読んだよ! テレビ観たよ!」「うちの子がこんな反応だったよ」「次はもっとこうしてもいいかもね」と声をかけられ、泣きそうになりました。
これからは、長く愛されるキャラクターを世に出すことが目標です。本と並行して、動画やイベント、おもちゃなどいろんなかたちでチャレンジしていきたいです。

私の1日

9:00
起床
10:00
外出。東京・
上野の『国立科
学博物館』に
立ち寄って
ネタ・資料集め
14:00
会社に到着。
印刷物の色味を
確認、校正(※)
を行う
校了紙チェック。食べ物の写真は、特に色味にこだわります。
15:00
ライターと次号
の打合せ
16:00
書店へ。
自分の編集した
本がどの棚に
置いてあるか
チェック
18:00
制作局の担当者とふろく打ち合わ
せ。次年度のふ
ろく見本(白ダ
ミー)の確認
20:00
同期と夕食
22:00
帰宅
25:00
就寝

(※)印刷物の内容や語句の確認、修正作業。

“変”集者への一問一答

あなたの変だと思う部分はなんですか?

「子どもウケ」をめちゃくちゃ気にするところ。新入社員の頃、子どもたちを喜ばせたくて腹話術を習ったのですが、イベントで披露したところ盛大にスベりました。それが今でもトラウマです。

小学館 / 小学館社員のここが変だと思う部分はなんですか?

よくよく冷静に観察すると、会話や言動がちょっとおかしい。大の大人が真剣に“うんこ”の魅力について熱く語り合っていたり、全力ですごろくをプレーしていたり、粘土を無心にこねていたり……カオスです。

「こんな変をつくりたい」「世の中をこう変えたい」といった思いをお聞かせください。

「大人が子どもに教えてあげる」ようなものではなく、「子どもがおもしろいと思うものを、子どもと一緒につくる」ことをしていきたいです。それと、小学生特有の味わい深いタッチの字や絵を生かした“変な本”をつくりたい。

あなたのレベル上げのコツを教えてください。

へんてこな服を着ること。モデルや読者の子どもたちとの撮影も多いため、緊張をほぐせるように、親しみやすいポップな格好をするよう心がけています。
キャラクターTシャツを30枚ほど揃え、その日会う子どもが好きそうなキャラのものをチョイス。あと、ポッケの中に時々どんぐりをひそませたりもします。そうして子どもたちと仲良くなれると、好きなものやリアルな流行りを聞けて、本当に勉強になります。
地道な心がけのおかげか、最近、電車の中でもよく子どもから話しかけられるようになってちょっと嬉しいです。先日、ドラえもんがデカデカと描かれたTシャツを着ていたら、電車で隣に座っていた幼い男の子に「おとななのにそんなふくきるの?」と真顔で聞かれました。

就活生の皆さんへ

「出版社だから変人ぽく個性を出さなきゃ……」「でも私、普通だし……」と引け目を感じる方もいるかもしれません。でも、「変」とか「個性」とかを無理に気にする必要はないと思っています。
あなたが今までの人生で感じてきた「これが好き!」「やってみたい」「おもしろい!」「なんかやだな」や、「こんな人に、こんなものを届けたい」に丁寧に1つひとつ向き合って、言語化してみてください!